王 セイ
(立命館大学大学院)
作品テーマ:粒子ベースレンダリングを用いた松が峰教会の半透明レンダリング
作品の種類:静止画と動画
コンセプト
作品概要:  近年の3次元レーザ計測技術の発展は、歴史的建造物などの文化材や遺跡を、精密に立体計測することを可能にした。建造物のレーザ計測によって取得されるデータは、通常、数千万点から数億点の大規模な3次元点群である。我々は、国の登録有形文化財にも指定されているカトリック松が峰教会(栃木県宇都宮市)[1]のレーザ計測を行い、2億点からなる3次元点群データを取得した。これに、最近我々が提案した粒子ベースレンダリング(3次元点群に基づく精密半透明可視化法)[2]を適用し、高精細な半透明透視に基づく可視化を行った。  今回のレーザ計測データには、教会の外部と内部の両方の情報が含まれている。このため、外壁および内部構造物の透明度をそれぞれ独立に調整することによって、教会の、それぞれ美しい内部と外部の様子を同時に可視化できている。また、建造物の3次元透視画像は、回転させて鑑賞すると美しく、また、角度による見え方の変化が面白い。そこで我々の作品では、教会を不透明から半透明に変化させた後、360度回転させている。  なお、本作品は、王セイ(立命館大学),長谷川恭子(立命館大学), 岡本篤志(大手前大学),田中覚(立命館大学)の4名によって共同製作されたものである。

1 S Tanaka et. al. “Application of Stochastic Point-Based Rendering to Transparent Visualization of Large-Scale Laser-Scanned Data of 3D Cultural Assets”, PacificVis 2014 IEEE, 267-271, 4-7 March 2014
2 カトリック松が峰教会 http://www2.ucatv.ne.jp/~matumine.sea/

<制作物>

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